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市販薬、ツボ…。PMSをやわらげるセルフケア

2017.11.08

市販薬、ツボ…。PMSをやわらげるセルフケア


「どうやらPMSみたい?」と悩む女性は多いようですが、そうした方たちすべてが病院やクリニックに行くべきかというと、そうとも言い切れないわけで……。PMSでの医療機関受診の目安はあるのでしょうか?また、医療機関に行かなくても可能な対処法とは?


今回は、自分で実践できるPMSのセルフケアにについて、専門家にご紹介いただきました。

取材協力・監修


◆岡田研吉 医師

公益財団法人 研医会診療所 漢方科。1972年、東邦大学医学部卒業。ドイツ・リューベック医科大学留学中に東洋医学を志す。帰国後、名古屋聖霊病院・藤枝市立病院に勤務する傍ら、国立東静病院で漢方療法を学ぶ。1982年に北京中医学院(現・北京中医薬大学)に1年間留学。東京・玉川学園で岡田医院を開業。著書に『素問次注集疏(上・下)』『傷寒論考注(上・下)』『宋以前傷寒論考』ほか。


◆岩井浩(執筆者)

医療ライター。医薬品登録販売者。企画制作プロダクション「阿佐ヶ谷制作所」代表。編集者・ライターとして書籍、WEB等で医療・健康情報を発信しつつ、医薬品管理者としてドラッグストアでの販売にも携わる。著書に「市販薬は成分表示だけ見ればいい」(誠文堂新光社)、「医薬品販売実務コンパクトブック」(TAC出版)


◆牧 栄(まき・さかえ)先生

鍼灸師。まき鍼灸院・院長。その卓越した技術により日本全国から口コミによる来院者とリピーターが絶えない。あらゆる心身の不調に対する施術を行っており、なかでも不妊治療での評価は秀逸。

■PMSで医療機関を受診すべきボーダーラインとは?

医師の診察を受けるかどうかの判断基準として、一番大事な点は、心身に起こるいろいろな症状について『日常生活に支障が出るかどうか』という点でしょう。たとえば、

「仕事がまったく手につかないほどに集中力がなくなってしまう」

「異常な眠気で動くこともできず、ひたすら寝込んでしまう」

「子どもや家族にきつくあたる、攻撃的な感情が抑えきれなくなる」

などなど、明らかにひとりではコントロールできない状況であれば、即、受診を考えていただくのがいいと思われます。また、


「そこまでではないけれど、という方でも、『決して無理に我慢しない』という点は常に意識していただくのがいいでしょうね」


こう話すのは、岡田医院、院長の岡田研吉先生。これまでに多くのPMSの患者さんの症状を改善してきた漢方治療の専門医です。


「症状については、肉体的な痛み・だるさ、精神的なつらさ、苦しさを問わず、耐えられない程度の場合は無理せず、速やかに信頼できる先生を受診されるのがいいと思いますね。特に、向精神薬は市販のお薬がないことなどから、メンタル系の症状がメインで、強く現れているケースなどは早期に受診されるのもいいのではと思われます」


続けて岡田先生は、メンタルの安定については、普段からの気の持ちようが非常に大切という点を強調されます。


「とにかく自信をもつことが一番なのですが、『そう言われても……』という方も少なくないでしょうか。


ただ、ひとつ確実にいえるのは、『時間、契約、人間関係に縛られた現代社会は、決して生きやすくない、つらく厳しい環境である』ということです。そんななかで生きていて、『社会のルールに合わない自分はダメな人間』なんて自己否定するのはおかしいのです。


だから患者さんにはハッキリ言っていますよ、『合わないのは当たり前です、だって社会のほうが歪んでいるのですから』と。迷ったら、いつでもこの考えに立ち戻っていただきたいですね」

■市販薬は自分に合うかどうか見極めよう

では、医療機関を受診するほどではないPMSの対応ですが、市販薬でのPMS治療については、登録販売者の資格を持ち、現役のドラッグストアスタッフにして医療ライターである筆者(岩井)からご説明いたします。


市販薬でのPMS治療には、漢方薬や漢方製剤、プレフェミンなどの治療薬や、頭痛薬、便秘薬などの対症療法的なお薬が用いられることが多いといえます。


ただし、使用するその前に、大前提として次の2点をクリアしていることが必須条件となります。


①岡田先生のお話のように、「医療機関を受診するほどではない状態」である

②事前の検査などで「PMSの症状であることがハッキリ」している


では市販薬とその特徴など、いくつかご紹介していきましょう。

※PMSのタイプ別のおすすめ漢方薬は、岡田先生がご紹介された各記事をご参照ください。


1)「興奮・イライラ」タイプ

2)「パニック・逃避」タイプ

3)「落ち込み・クヨクヨ」タイプ

◇「命の母ホワイト」

メーカーサイトによると、「女性の生理の不調を改善し、女性のからだを正しい状態にする医薬品」として、2008年に発売開始とのこと。


成分は11種類の生薬から構成。その内訳を見ると、『三大女性向け漢方処方』のうちのふたつ(当帰芍薬散、桂枝茯苓丸)の処方に相当する生薬がメインで、さらに、熱や便秘など余分なものを排出する効果の高い「大黄」と、元気を補う生薬(補気剤)の代表選手「人参」が加わったラインナップです。


15歳以上の女性であれば、特にタイプを問わず、生理前後の不快な症状の改善が期待できます。

参考

生理前~生理中の諸症状に - 命の母ホワイト - |小林製薬

https://www.kobayashi.co.jp/brand/inochinohaha/white/

◇「プレフェミン」

ヨーロッパで古くからPMSの治療に用いられてきたチェストベリーという西洋ハーブ単一成分の医薬品。まだ3年程度と新しいお薬で、要指導医薬品に分類されています。


軽度から中等度のPMSに対し、運動や食事ほか生活改善などと併せて飲むことで、症状の緩和に効果があるとされ、ひいてはQOL(生活の質)の改善までが期待されています。

参考

生理前の不快な症状、PMSを治そう。PMS治療薬 プレフェミン:ゼリア新薬

http://prefemin.jp/

◇痛み、便秘などの症状を緩和・改善する薬(対症療法薬)

PMSの症状を抑えるために、痛み止め(鎮痛剤)や便秘薬を使っている方もいらっしゃるかと思われます。それ自体は決して悪いことだとはいえないのですが、たとえば、


  • 回を重ねるごとに薬の効き目が悪くなっている(服用の頻度・回数が増えている)

  • PMSの期間以外にも使用し続けている(長期で連用している)


といった場合は、そのまま服用を継続せず、薬剤師、登録販売者に相談するか、専門医の診察を受けるようにしましょう。


いずれのケースにおいても言えることですが、そもそも医薬品は、そして特にPMSのような不定愁訴を含む症状には、効果の個人差がかなり大きくなります。そこで、合う・合わないを自ら判断しながら、薬局、ドラッグストア任せにしない薬選びをしていただければと思います。

■症状をやわらげるツボ

続いての効果的なPMSセルフケアは「ツボ刺激」です。江戸川区でまき鍼灸院、院長を務める、鍼灸師の牧栄先生にお話を伺いました。


「月経前症候群の幅広い症状に効果的で、即効性が高く、一般の方にも場所がわかりやすい、などいろいろな面を考慮すると、今回は『三陰交(さんいんこう)』というツボがいいと思われます」


婦人科系疾患の改善に効果を発揮するツボは、通称「女性の要穴(ようけつ)」などと呼ばれたりもしますが、この三陰交、女性の要穴のなかでも特に重要視されることが多いツボになります。

【三陰交(さんいんこう)】

両足のくるぶしの骨の頂点から指4本分上がったところの足の骨沿い(かかと寄り側)

比較的見つけやすいツボですが、ハッキリ明確な位置がわからなくても大丈夫!なぜなら、今回は刺激の仕方がちょっと変わっているからです。


「今回の治療での刺激の仕方は、一般によく知られる指を用いた方法ではなく、つまようじを用いたものになります。


つまようじを7~10本ほど束にして輪ゴムでまとめます。これを使って三陰交のあたりをトントンと刺激してください。決して強く押しあてることなく。トントンですからね」


牧先生によれば、「PMSの各種症状に効果的なこのツボ刺激術ですが、特に頭痛の症状の緩和改善には多くの方から『効きました』との声をいただいています」とのことです。



生理前につらい症状がある、という方はぜひ自分に合ったケア方法を試してみてください。セルフケアでは改善しない、自分ではどうしようもない場合は、我慢せず受診することをおすすめします。


(取材・文 岩井浩)

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※『プレフェミン(ゼリア新薬)』については、お近くの取り扱い店にご相談ください。

http://prefemin.jp/tenpo/


(マイカラット編集部)