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「女性ホルモンを補う」ってどういうこと?ホルモン補充療法とは?

2018.04.23

「女性ホルモンを補う」ってどういうこと?ホルモン補充療法とは?


女性ホルモンは、「女性の体」に大きな影響を及ぼしています。ホルモンバランスが崩れると、体調不良だけでなく、精神的に落ち込むなどの心理面の変化が現れることも。こうした症状については、「女性ホルモンを補充する」ことが解決法になるのです。今回は「ホルモン補充療法」について解説します。

記事監修



加藤智子 先生


産婦人科医。浜松医科大学医学部医学科卒業、社会医療法人財団新和会八千代病院、三河安城クリニック勤務。日本産科婦人科学会(専門医)、日本医師会(認定産業医)、日本抗加齢医学会(専門医)、NPO法人女性と加齢のヘルスケア学会(更年期カウンセラー)、日本産婦人科内視鏡学会、日本女性心身医学会、検診マンモグラフィ読影認定医、日本気象予報士会東海支部(気象予報士)。女医+(じょいぷらす)所属。


▼詳細プロフィール

https://mycarat.jp/experts/111

■女性ホルモンは女性を守る働きをする!

女性ホルモンとしては、卵胞ホルモンとも呼ばれる「エストロゲン」、黄体ホルモンとも呼ばれる「プロゲステロン」のふたつがあります。エストロゲン、プロゲステロンは、妊娠・出産を可能とするよう女性の体の発育を促し、生理サイクルをつくって維持するなど、女性の人生を支えるホルモンです。


閉経によって女性ホルモンの分泌が急激に減少すると、その前後10年ぐらいの「更年期」には、ほとんどの女性が更年期障害という心身の不調に悩まされます。これは、それまで体を保護してきた女性ホルモンが失われ、心身のバランスを崩すからです。


月経のある女性でも、女性ホルモンの分泌・バランスが崩れると心身ともに不調を来すことがあります。

■女性ホルモンを「補う」という選択

更年期障害で困っている女性のために、「女性ホルモン不足」を補う「ホルモン補充療法(hormone replacement therapy:HRTと略されます)」があります。これは「女性ホルモン剤」を使用(飲み薬・貼り薬・塗り薬・膣錠があります)して、体内の女性ホルモンのバランスを調節するというもの。


更年期の女性だけでなく、不妊治療や月経に伴う不調についても効果があります。また「女性ホルモン剤」だけでなく、一般的には避妊薬として知られる「低用量ピル」も使われます。


というのは、ピルは人工的に合成された「エストロゲン」と「プロゲステロン」を主成分としているからです(現在では副作用のほとんどない低用量ピルが処方されます)。


つまり、ピルは避妊薬ではありますが、女性ホルモンを補充する役目も果たしてくれるのです。また、ピルには「卵巣がんのリスクを最大7-8割減らす」「子宮体がんのリスクを5-6割減らす」といった効果が見込めることが分かっています。


さらにHRTでは大腸がん(女性の死亡リスクが高い)や骨粗しょう症の予防にも効果があることが分かってきました。ただし、HRTを行うときには、使用禁忌に該当する場合があったり、定期的に乳房と子宮の検査を受ける必要があるため、医療機関で処方を受けるようにしましょう。重要な器官に副作用を及ぼしていないかを確認するためでもあります。



健康や美容についてメリットもある低用量ピル、HRTですが、欧米と比較すると、日本ではまだまだ一般的になっているとはいえません。女性ホルモンと上手に付き合い、コントロールすることができれば、女性のQOLは向上することになるでしょう。


(高橋モータース@dcp)